70歳男性 自宅で転倒し受傷 左大腿骨転子部骨折
既往に腎不全 心筋梗塞 肺癌あり
肺癌は放射線治療を行っている
急性期病院での治療を終え 当院回復期リハ病院入院
身長161㎝/体重40.3kg/
BMI16.6/Alb1.6/Hb8.9/CRP3.5
顔色良く 発声あり 食事量少ないが 車椅子座位で自己摂取
水分でのムセあり 長期臥床に伴う 全身筋力低下 嚥下機能低下あり 食嗜好強い
① 本人の嗜好 状態 機能に合わせた食事をST 他職種と連携し提供
② 全身栄養状態改善後 食事形態アップを目指す(目標体重45kg)
③ 本人様はかき氷 あんころ餅が食べたい
● 嗜好 かき氷(せんじ 納豆(玉ねぎみじん切り・オリーブオイル入り)アジフライ
● 嚥下 パサつくものは食べづらく 魚はムース対応
● 栄養 健康スープ 栄養補給ゼリー追加 間食で栄養剤負荷徐々に摂食量が改善
● 状態 疼痛強く 食事量を少なめから開始し 安定後に徐々に増加
● 栄養状態は脂肪・水分・筋肉全ての値で増加
● 健康スープとの味覚合性が良く 退院前にレシピをお渡しする
● リハビリにより耐久性や嚥下機能が向上し食事量・形態アップ
● 嗜好を中心にした食事提供で食欲を増し 食事量増加につながった
身体組成 | 身長 (cm) |
体重 (㎏) |
脂肪重量 (Kg) |
体脂肪率 (%) |
体水分量 (㎏) |
---|---|---|---|---|---|
入院時 | 161 | 40.3 | 9.4 | 23.3 | 16.6 |
退院時 | 49 | 12.2 | 25 | 22.8 |
身体組成 | 体水分率 (%) |
細胞内液率 (%) |
細胞外液率 (%) |
骨格筋量 (㎏) |
FIM (運動) |
---|---|---|---|---|---|
入院時 | 53.6 | 18.7 | 34.8 | 12.1 | 51 |
退院時 | 52.1 | 23.9 | 38.2 | 14.7 | 67 |
① 基本的には、嗜好や嚥下状態にあった個別対応にて食事量の増加を図ります。
② 食事が沢山食べられない方には少量・高エネルギーの補助食品の提供を行います。
③ 栄養士だけでなく、医師・看護師・介護士・言語聴覚士等し多職種共同で低栄養の改善に努めます。
85歳女性 介護度3 大腿骨骨折 高血圧症
身長157㎝ 体重36.9㎏ BMI=15.0
独居で食事はお粥・味噌汁・漬物で3食済ませてしまう
肉・魚・マヨネーズ・甘い物、生野菜・硬い物が嫌い
自歯が3本(下2本上1本) 義歯なし
施設入所になり、栄養の介入を実施
① 主菜が摂れていない為、卵・大豆製品を中心に個別対応を実施
② 義歯がない為、歯科衛生士・歯科医師に依頼し、義歯の作成と
食事形態の見直し(刻み食)
③ おやつ時に補助食品(コーヒー味)を提供
① 長期入所者全員の食事・栄養量を把握し、
低栄養のリスクを判定
② 低栄養の改善を目指した食事・栄養ケアを実施
事業所名 | 年度 | 栄養 充足率 |
体重 増加率 |
BMI 増加率 |
嚥下機能 改善率 |
便通 改善率 |
食事摂取量 増加率 |
筋肉量 増加率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
あいち リハビリテーション 病院 |
H28 | 96% | 15% | 29% | 17% | — | 21% | — |
R1 | 75% | 41% | 37% | 35% | — | 41% | 38% | |
西尾老人保健施設 | H28 | 85% | 23% | 4% | 19% | 3% | 9% | — |
R2 | 57% | 24% | — | 1% | — | 9% | — |
食事量や体重だけでなく、その方の抱える問題も総合的に判断し、
低栄養のリスク判定を行います。
低リスク | 中リスク | 高リスク | ||
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BMI | 18.5以上 | 18.5未満 | ||
体重減少 | 1ヶ月 | 3%未満 | 3〜4.9% | 5%以上 |
3ヶ月 | 3%未満 | 3〜7.4% | 7.5%以上 | |
6ヶ月 | 3%未満 | 3〜9.9% | 10%以上 | |
食事摂取量 | 76%以上 | 75%以下 | ||
アルブミン値g/dl | 3.6以上 | 3〜3.5 | 3.0未満 | |
栄養補給法 | 経口 | 経腸・静脈 | ||
褥瘡の有無 | なし | あり | ||
その他 下痢、便秘、多尿、嚥下障害 発熱、嘔吐、脱水、発熱、感染 疾患、内服薬等 |
なし | あり | あり |